ベルトコンベア故障の主な原因と監視手段
ベルトコンベアは高効率な大量輸送設備である反面、故障による停止は生産機会の大きな損失につながる。そのため、故障要因と検知手段を明確にし、適切な監視体制を整備することが重要である。
1. 主な故障要因
- ベルト切断
- ベルト穴あき
- ベルトのエンドレス部捲れ(部分剥離)
- 鉄板など異物の突き刺さり
- ベルト縦裂き
- ベルト蛇行
- スリップ
- シュート詰まり
- ベルト摩耗
2. 各故障の検知手段
| 故障要因 | 主な検知手段 | 備考 |
|---|---|---|
| ベルト切断 | モーター電流変動、アラーム信号 | 電流の急変で検知可能 |
| スリップ | モーター電流、速度センサー | 負荷変動や速度差で検知 |
| シュート詰まり | 電流監視、監視カメラ | 負荷上昇、搬送停止を検知 |
| 蛇行 | 監視カメラ、リミットスイッチ | コンベア側部で多点監視 |
| エンドレス部捲れ | ベルト戻り側カメラ、定期点検 | 材料下で隠れるため要停止点検 |
| ベルト穴あき | ベルト戻り側のカメラ・目視点検 | 運転中の検知は困難 |
| 鉄板突き刺さり | ベルト戻り側の監視または休止点検 | 材料下で隠れる |
| 縦裂き | 加速度・振動・テンション異常で兆候検知可能 | 発生初期検知は難しい |
| ベルト摩耗 | 定期休止時の目視点検 | 長期運転で進行 |
3. 故障予防の課題
多くの故障は搬送材料の下に隠れて発生するため、運転中の監視では検知が困難である。したがって現状では、コンベアラインを定期的に休止し、**人手による目視点検(人海戦術)**に頼らざるを得ない。
4. 今後の方向性
- 戻り側へのセンサー配置(画像・赤外・超音波・振動検知など)による早期異常検出
- AI画像解析による目視代替
- 運転データ(電流・振動・温度・速度)の常時監視と異常検知アルゴリズム導入

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