ベルトクリーナーの目的
ベルトクリーナーは、耐摩耗性の超硬チップでベルト表面にこびり付いた搬送材料を掻き落としてベルト下に堆積しないようにするための装置です。
理想的なベルトクリーナーは高い搔き取り性能、長寿命、調整が容易、低ダメージなどの問題を同時に満たすことが必要です。
単に「よく取れる」だけでなく現場目線では 総合バランス設計 が重要です。
■ 理想的なベルトクリーナーの条件① 高い掻き取り率の達成(90%以上が理想であるが維持するのが難しい) 一般的に一次クリーナーだけで100%搔き取るの困難である。 状況に応じてベルトクリーナーを複数段構える必要がある。 ・一次で大部分除去 ・二次で微粉回収② ベルトを傷めない
- 掻き取りを優先して過剰な接触圧にしてはいけない。
- 接触圧を大きくすると多少は搔き取り性は向上するがベルトや掻き取り刃の摩耗を促進する。
- ベルトエンドレス部の剥離を促進する。
- 片当たりが起きると蛇行しやすくなる。
③ 交換・保守が簡単→交換費用低減
ウレタンとチップのアセンブリセットのみ交換可能です。
④トータルコストが低い
- 消耗品交換回数が少ない
- 清掃工数が減る
- ベルト寿命が延びる
■ 理想像を一言で言うと
・ベルトに付着物はテールプーリに返送される途中で落下物としてベルト下に堆積していきます。
・落下物は定期的にスコップなどを使用して人力で片付ける必要があります。
・この落下物を人の手で片付ける作業は重労働です。
・スコップ作業を行なう人力も不足しており労力確保の問題となっています。
落下物を放置すると徐々にベルト下に堆積していきます。
→リターンローラを摩耗させたり、
→風や雨水に運ばれて周辺環境を悪化させる原因となります。
落下物は極力ヘッドプーリの近くに取付けるのが望ましいです。
ベルトクリーナーはヘッドプーリの直下に設置するのが最も効果的といえるでしょう。
そのままホッパーで捕集して効率的に処理するできます。
搔き取りチップは激しく摩耗します。
ベルトクリーナーは定期的なチップの取り替えや、ベルトとチップの当接具合を調整する必要があります。
■ 理想的なベルトクリーナーの条件
① 高い掻き取り率
- 一次で大部分除去
- 二次で微粉回収
- 取り残しがローラーへ落ちない
② ベルトを傷めない
- 過剰な接触圧にならない
- 適切な追従性
- 片当たりが起きない構造
ベルト寿命を縮めるクリーナーは理想とは言えません。
③ 掻き取り刃が摩耗に強く長寿命
④ 自動追従・安定圧力
1)自動追従(自動追従機構)とは
ベルトのたわみや振れ、位置ズレに追従して掻き取り刃(ブレード)がベルト表面に最適に当たる機構です。
・ベルト幅・位置の変動があっても常に当たり具合を維持
・過度に押し付けすぎないためベルト損傷リスクを低減
・クリーナー刃の寿命向上
2)安定圧力とは
掻き取り刃がベルトに当たる押圧力(接触圧)を一定に保つ仕組み
・ベルト表面を均一に清掃できる
・過大な押圧によるベルトゴムの摩耗・損傷を防ぐ
・摩耗に応じて押圧が変動しにくく、刃のライフが長くなる
3)自動追従 + 安定圧力の利点まとめ
・清掃精度アップ→ ベルトの中心も端もムラなくクリーニング
・ ベルト寿命の延長→ 過剰な押し付けが無い
・ 作業負荷低減→ 手動調整の手間が激減
・ ダウンタイム低減→ 刃交換やベルト修理の頻度が下がる
4)どんな用途に向いている?
・粉じん・泥が多い現場
・ 高速ベルト運転
・ベルト交換コストを抑えたい現場
⑤ 交換・保守が簡単 搔き取り状況を観察しながらベルトクリーナーの調整ができるようにする。
- 安全通路の確保
- 簡単な高さ調整の仕組み
- 作業時間短縮
ベルトクリーナーの高さ調整を安全に確実にできりような安全通路の構築が必要となる。


⑥ トータルコストが低い
- 消耗品交換回数が少ない
- 清掃工数が減る
- ベルト寿命が延びる
ベルトクリーナーの形状とお勧めの取付け位置


ベルトクリーナーの掻き取り状況
ベルトクリーナーの種類
・ベルトクリーナーはベルトの戻り側の付着物を掻き落とします。
・板状のスクレーパ式クリーナー(掻き板式クリーナー)が主流になっています。
・クリーナーの寿命を延ばすためにスクレーパーの先端部に超硬チップを取付けて摩耗防止します。
・スクレーパを可撓性のある細長いゴム板にして衝撃を緩和したりする構造が採用されています。
・ゴム板や超硬チップの種類、幅や厚みにバリエーションを持たせることができます。
・搬送材の特質(例えば、粉状、粒状、泥状、塊状、粘土状など)に合わせた応用が可能です。
・ベルトクリーナーはチップとベルトの精密な当接が決め手です。
マフレンベルトクリーナー
日常のメンテナンス負荷を軽減して搔き取り効果を継続的に発揮できるようにウレタンバーと超硬の組合わせ
がベストです。
マフレンのベルトクリーナーは掻き取り刃を15㎜幅に分割しておりますので、ベルトの凹凸や変形に追随できるように押上げボルトで調整することが可能です。そのため掻き取り刃をベルトに当接させるために無理矢理強い力で押上げる必要はありません。マフレンのベルトクリーナーには複数の押上げボルトを取付けていますのでベルトの全幅に対して搔き取り刃を当接させることができます。

掻き取り状況の把握
掻き取り刃の摩耗やウレタンバーの曲がり癖で搔き取り性能は徐々に低下してきます。搔き取り性能を復活させるには、コンベア修理タイミングに合わせて掻き取り刃を上昇させるひつようがあります。マフレンベルトクリーナーは元々ベルト表面に精密に当接していますので0.5~1.0mm程度上昇させるだけで十分です。掻き取り刃を上昇させすぎるとウレタンバーの反力が強くなりすぎて掻き取り刃の寿命が短くなります。

掻き取り刃の押付け力はウレタンの弾力で自動的に維持
■ コンベアベルトの動き
- 上下方向の動き:
- ドライブプーリに強いテンションがかかっており、基本的には動きが抑制されている。
- ただし、プーリの軸が曲がっていると上下動が発生する。
- ベルトの摩耗によって表面に凹凸ができると、振動が発生することもある。
- スラスト方向(左右方向)の動き:
- 構造的に完全な拘束は難しい。
- ベルトは微小な横方向の動きを繰り返している。
■ ベルトクリーナへの影響
- 上下・左右の微振動を常に受け続ける。
- ベルトとクリーナの接触は完全に一定とはならず、「ついたり離れたり」を繰り返す。
- 剛性が高すぎるベルトクリーナでは、振動に追従できず掻き取り残しが発生する。
■ マフレンベルトクリーナの特徴
- 掻き取り刃は15mm。
- 柔軟なウレタンバーの先端に刃を取付。
- ベルトが上下動する際に、ウレタンバーが「伸びたり曲がったり」して常に追従。この柔軟性により、ベルトとの接触を維持 → 掻き取り残しが少なくなる。
まとめ
ベルトは常に上下・左右に微細な動きをしており、これによりベルトクリーナも絶えず影響を受けます。マフレンのベルトクリーナは、柔軟性の高いウレタンバーと15mmの掻き取り刃を組み合わせ、これらの動きにスムーズに追従。だから掻き残しが少なく、安定した清掃性能を発揮します。
マフレンクリーナーの適用例
食品関係・・・ お茶の葉、砂糖、塩など
・ベルトにべっとり張り付いたお茶の葉を極薄の超硬チップが搔き取ります。
・高温で粘着性のある砂糖を超硬チップで搔き取ります。
・粒状の塩の塊と潮解して高粘性の塩を搔き取ります。
木片類・・・木屑、おがくずなど
ガラス・陶器類・・・
ゴム類
石灰・スライム状石灰・セメント
石灰粉、石灰スラリー、石灰石などに有効
鉄鉱石・石炭・コークス・焼結鉱
産業廃棄物
アスファルト・タール
・高粘性のタールに極薄チップが食い込んでごっそり搔き取ります。
分割チップと一体型チップの性能比較
| 比較項目 | 従来型 | 世界潮流 |
| スクレーパ | 一体型 | 分割チップ |
| テンション | 手動 | 樹脂、バネ |
| ベルトとの追従性 | 低 | 高 |
| メンテ性 | 多い | 少ない |
| 搔き取り率 | 70~80% | 90%以上 |