ベルトクリーナーの調整に手こずっていませんか?
ベルトクリーナーの調整トラブルは搔き取り不足と摩耗・破損の両方を同時に引き起こすのが最大の問題です。
ベルトコンベアで使用するベルトクリーナーの調整に関する主な問題点を整理します。
1) ベルトへの適正な押し付け力の把握
● チップの押付け力と搔き取り性能違い
- 搬送物がベルトに付着したままになっている
- 返りベルトの蛇行や落鉱
- 落鉱清掃コスト増加
● 押し付け過多
- ブレードの異常摩耗
- ベルト表面損傷
- モーター負荷増加
- チップ欠け(超硬タイプは特に注意)
現場では「強く押付ければ掻き取れる」という誤解のもとに各種対策が実行されているのが問題です。
② クリーナーの左右バランス不良
・片側だけ摩耗が早い
・ベルト片寄り
・ブレードの段減り
・フレーム歪み
特に分割チップ式クリーナーでは左右均等な荷重管理が重要です。
③ 摩耗進行に伴う再調整不足
- 定期点検が属人化
- 調整基準が「目視・経験頼み」
スプリング式でもダストが詰りきかなくなるので定期確認は必須です。
④ 搬送物条件変化への未対応
- 水分増加(石炭・焼結鉱など)
- 粒度変化
- 冬季凍結
⑤ 調整機構そのものの問題
- ボルト式:締めすぎ/締め不足
- スプリング式:バネ劣化
- トルク管理なし
- 調整位置の目盛がない
「誰がやっても同じ調整になる仕組み」になっていないケースが多いです。
現場でよく起こる二次被害
- 清掃工数増大
- ベルト寿命短縮
- ベアリング寿命低下
- コンベア停止ロス
調整不良は設備トラブルの起点になりやすいのが最大のリスクです。
調整が難しい理由
1)掻き板の摩耗速度が速くて短周期で煩雑に調整をやり直している。
2)掻き板とベルトの当たり具合が適正になっているのか判断しにくい。
3)コンベアを一旦稼働させないと調整が適正になっているかわかりにくい。
4)クリーナーのセット位置を定量的にセットするのが難しい。
5)コンベアを一旦稼働させて当たりが不良の場合、再度コンベアを停止して再
調整が必要となる。
6)ベルトクリーナーの再設定は、定期修理あるいは臨時修理時間の延長となり生産機会
が減る。
ベルト稼働中にクリーナーの調整をする方法
1)ベルトと作業域を柵などで機械的に分離し絶対にベルトへの巻き込まれを防止する。
2)調整ボルトでクリーナー全体を0.1~1.0mmの範囲で微少に上昇させながらクリー
ニング状況を観察する。
3)ベルト稼働中にベルトの側に立ち入るのは危険であるが図にようにきちんと安全柵を
設けることにより安全に作業可能である。
ベルトクリーナー掻き板とベルトの具体的な位置調整例
一般的にベルトクリーナーとベルトの位置調整はベルトが停止させないと危険である。
ベエルとを稼働させながらクリーナーの搔き取りを調整できれば正確な搔き取り性能を発揮できるので理想的である。
ベルトクリーナーをベルト稼働中に安全に調整作業するためにはベルトクリーナー構造や調整方法を徹底的に工夫する必要がある。
1)ベルトクリーナーの調整位置はコンベアの稼働領域から確実に隔離する。
2)搔き取り状況を観察しながらクリーナーの高さ調整ボルトを0.1~1.0mmの範囲で微少に上昇
させる。
3)搔き取り板とベルトの当たりは極めてデリケートであり、一気に1.0mm以上上昇させるのは
超硬チップの摩耗、ベルトの摩耗、ベルト接続部の捲れ、ベルト疵部の拡大などの観点から危
険であり無駄である。
4)下図のような配置により丁寧に少しずつ上昇させていくのが必須である。
点検通路はベルトから十分に離れたところに設置する。
クリーナーの高さ調整は掻き落とし状況を観察しながら一括高さ調整ボルトを0.1~1.0mm上昇させる。
チップとベルトの当接は極めてセンシブルでり0.1mm程度の上昇で搔き取り状況は大幅に改善される。
一括でチップの高さを調整するばあいの模式図

搔き取り調整ボルト拡大図(模式図)
両側のボルトを1本ずつ調整するだけで適正な掻き取り状態を復元します

クリーナーとベルトのセット セット状態から掻き取り状態へ

クリーナーは搬送材料ごとに適切な押付け力があります。
| 付着物の種類 |
| 粉状 | 砂状 | 粘土状・スラリー状 |
| 粉体、石灰分、塩、茶葉、砂糖 | 塊、破砕石、コークス、石炭 、焼結鉱、鉄鋼積 | タール、泥 |

ベルトクリーナーとベルトの適正な押付け力
付着物をベルトクリーナーで掻き取るためには、掻き取り刃とベルト表面は適正な押圧力で隙間無く当接させることが重要です。ベルトクリーナーとベルトが適切に当接していれば無理にベルトを押付ける必要はありません。押付け力が強ければ掻き取り性能は向上しますがベルトや掻き取り刃の摩耗が大きくなり寿命が短くなります。またローラーのないところでは押付けた分だけベルトが逃げますので適正な押付け力を付加できません。ベルトの剥がれ部や強固な付着物がある場合はクリーナーの押付け力でベルトを線状に引き裂き輪切り状態になり設備トラブルの原因となります。
ベルトの表面とベルトクリーナーの隙間調整方法
ベルトクリーナーの掻き取り刃は常にベルトに押付けられていることが重要ですがベルト表面は摩耗や掻き疵により凹凸が生じています。またベルトには曲がり癖がついており、材料搬送中はお椀のように下方向に凸になって材料を保持しております。反対に戻り側ではお椀を伏せたように上方向に凸となっています。このため戻り側ベルトにクリーナーの掻き取り刃を当接した場合掻き取り刃とベルトに隙間が生じます。従来のクリーナーは幅広の板を複数枚並べた形状ですのでこの隙間を解消することができず付着物がすり抜けていくため満足のいく掻き取りを実現できませんでした。マフレンのクリーナーは15mm幅の超硬チップをウレタンバーに取付けており、ベルトが円弧状に変形していてもその曲率に近似できますので隙間を最小限にでき掻き取り残しが飛躍的に減少します。さらに、掻き取り刃の下には掻き取り刃の高さを調整できるボルトを備えており掻き取り刃とベルトの隙間をゼロにできますのでほとんど密着した状態を保ちながらベルトを掻き取れます。
クリーナーの理想的な取付け位置
りベルトが水平になっており、なおかつ掻き取り刃をベルトに押付けた際にベルトが反対側に逃げないことが重要です。ベルトがクリーナーの反対側に逃げたらベルーに適正な押圧力を付加することができず掻き取り残しが生じる原因となります。クリーナーを適正にベルトに押付けるためにはドライブロールの下部に取付けるのが理想的です。ベルトはドライブロールの円筒形状とテンションにより水平に矯正されています。またドライブロールの下部にはシュートやホッパーが備えられており掻き取られた付着物はこれらの中に自然落下して捕捉されますのでショベルなどを使って人海戦術で清掃作業をする手間が省けます。

ベルトクリーナの取付け手順
手順その1 コンベアのフレームにブラケット①を溶接して取付ける。
ここでは代表例としてドライブロールの下部にクリーナーを取付ける場合について説明します。コンベアフレームにブラケット①を取付けます。

手順その2 ブラケット①に取付けボルト⑤で軸受け台②を取付ける。
軸受け台②はクリーナーの高さ調整をするので仮止め状態にしておく。

手順その3 ベルトクリーナーの軸③にスリーブ④を取付ける。

手順その4 クリーナーの軸③を軸受け台②に載置する。

手順その5 取付ボルト⑤を一旦緩めて超硬チップをベルトに当てる。

このとき超硬チップをベルトに強く押付けないようにする。
手順その6 高さ調整ボルト⑧でウレタンバー⑨を押上げて超硬チップとベルトの隙間をゼロにする。

手順その7 ボルト⑩を締め付けてウレタン⑨をフレームに固定する。
