正しい取付け手順で掻き取り性能向上
掻き取り刃とベルトの適正な押付け力
付着物をベルトクリーナーで掻き取るためには、掻き取り刃とベルト表面は適正な押圧力で隙間無く当接させることが重要です。押付け力が強ければ掻き取り性能は向上しますがベルトや掻き取り刃の摩耗が大きくなり寿命が短くなります。またローラーのないところでは押付けた分だけベルトが逃げますので適正な押付け力を付加できません。ベルトの剥がれ部や強固な付着物がある場合はクリーナーの押付け力でベルトを線状に引き裂き輪切り状態になり設備トラブルの原因となります。
ベルトの表面と掻き取り刃の隙間調整方法
ベルトクリーナーの掻き取り刃は常にベルトに押付けられていることが重要ですがベルト表面は摩耗や掻き疵により凹凸が生じています。またベルトには曲がり癖がついており、材料搬送中はお椀のように下方向に凸になって材料を保持しております。反対に戻り側ではお椀を伏せたように上方向に凸となっています。このため戻り側ベルトにクリーナーの掻き取り刃を当接した場合掻き取り刃とベルトに隙間が生じます。従来のクリーナーは幅広の板を複数枚並べた形状ですのでこの隙間を解消することができず付着物がすり抜けていくため満足のいく掻き取りを実現できませんでした。マフレンのクリーナーは15mm幅の超硬チップをウレタンバーに取付けており、ベルトが円弧状に変形していてもその曲率に近似できますので隙間を最小限にでき掻き取り残しが飛躍的に減少します。さらに、掻き取り刃の下には掻き取り刃の高さを調整できるボルトを備えており掻き取り刃とベルトの隙間をゼロにできますのでほとんど密着した状態を保ちながらベルトを掻き取れます。
クリーナーの理想的な取付け位置
りベルトが水平になっており、なおかつ掻き取り刃をベルトに押付けた際にベルトが反対側に逃げないことが重要です。ベルトがクリーナーの反対側に逃げたらベルーに適正な押圧力を付加することができず掻き取り残しが生じる原因となります。クリーナーを適正にベルトに押付けるためにはドライブロールの下部に取付けるのが理想的です。ベルトはドライブロールの円筒形状とテンションにより水平に矯正されています。またドライブロールの下部にはシュートやホッパーが備えられており掻き取られた付着物はこれらの中に自然落下して捕捉されますのでショベルなどを使って人海戦術で清掃作業をする手間が省けます。
具体的な取付け手順
手順その1 コンベアのフレームにブラケット①を溶接して取付ける。
ここでは代表例としてドライブロールの下部にクリーナーを取付ける場合について説明します。コンベアフレームにブラケット①を取付けます。

手順その2 ブラケット①に取付けボルト⑤で軸受け台②を取付ける。
軸受け台②はクリーナーの高さ調整をするので仮止め状態にしておく。

手順その3 ベルトクリーナーの軸③にスリーブ④を取付ける。

手順その4 クリーナーの軸③を軸受け台②に載置する。

手順その5 取付ボルト⑤を一旦緩めて超硬チップをベルトに当てる。

このとき超硬チップをベルトに強く押付けないようにする。
手順その6 高さ調整ボルト⑧でウレタンバー⑨を押上げて超硬チップとベルトの隙間をゼロにする。

手順その7 ボルト⑩を締め付けてウレタン⑨をフレームに固定する。
