理想的なベルトクリーナーは、
角度・圧力・小分割・追従・設置位置
の5要素が最適化されたシステム設計です。
戻りベルトの表面性状
ベルトクリーナーの設計の前に対象物である戻り側ベルトの表面性状について認識が必要です。
戻り側ベルトの表面は搬送材による摩耗や疵で徐々に粗さが大きくなります。
しかもベルトの長手方向よりも幅方向の凹凸の方が大きくなっています。
即ちベルト幅方向の凹凸は全然均一ではありません。
これを数枚の板を横方向に並べて掻き取ろうとしても掻き取り残しは避けられません。
■ 重要パラメータ
掻き取り角度:60〜70°
一定圧力(自動追従)
ヘッドプーリー直後に設置
ブレード(掻き取り刃)は小分割(追従性確保)
① 掻き取り角度(最重要)
ベルト長さ方法断面模式図 ベルト横方向断面模式図


理想の掻き取り角:角A=60〜70°
この角度のときに効率的に掻き取る(剪断)ことができる
掻き取り角度が小さい場合
付着物がベルトと掻き取り刃の間をすり抜ける
水分や粘着質の材料は滑ってなお一層掻き取れない
角度が大きすぎ(立ちすぎ)
付着物がベルトと掻き取り刃の間をすり抜ける
掻き取り刃のチャタリングが発生して掻き落としが斑になる
② 押付け力(一定の力を維持)
ベルトの表面は摩耗や疵で幅方向に凹凸が生じている。このような凹凸面に柔軟に応答しないと掻き取り刃がチャタリングやバウンドを起こしてベルト面から離れる現象が生じる。掻き取り刃がベルト面から離脱した部分は掻き取れないため斑模様となる。
適正な押付け力は0.05~0.1kg/mmあくまでも目安である。
ベルト速度、運搬物、運搬物の性状で若干の調整は必用である。
強く押付けるほど掻き取り状態は向上するがベルトや掻き取り刃の摩耗を促進する。
ドライブプーリ以外の場所に取り付けると押付け力でベルトが上方に押上げられるので押付け効果が低減する。べルトの摩耗を抑えながら掻き落とすことが大事である。
理想構造
押付け力はスプリング 、ゴム弾性で常時押付けた状態で掻き取る構造が望ましい。
ベルトの摩耗や疵などの凹みに自動的に追従していく構造が望ましい。
掻き取り刃の幅は15mmが最適である。
煩雑な押付け力調整は安全面や稼働率面から避けるべきである。
③ 追従性(ここが性能差の正体)
掻き取り性能は
- 小分割チップ(セグメント構造)
- ベルトの微少な凹凸や撓みに瞬時に追従
掻き取り性能が落ちるベルトクリーナー
- 一体型ブレード
ベルト幅全体に一様に当らない
中央部だけ当る(両端に隙間)
両端だけ当る(中央部に隙間)
④ 設置位置
ベストポジション
- ヘッドプーリー直後
ベルトが曲がる瞬間 → 付着物が浮く
最も剥がしやすい
ベルトを押付けた際にベルトが反対側に逃げないのでしっかり掻き取れる
⑤ 世界標準の“2段構成”
海外鉱山では1次、2次構成が必須👇
① 一次クリーナー(粗取り)
- 硬い(超硬など)
- 大量除去
② 二次クリーナー(仕上げ)
- ウレタンなど
- 薄膜除去
⑥ 日本のクリーナーはなぜ取れない?
角度がズレている
圧力が不安定
一体構造を分割タイプにすべし(分割掻き取り刃+分割支持バー)
設置位置が悪い
⑦ 理想設計まとめ(現場で使える)
チェックリスト👇
- 掻き取り角度:60〜70°になっているか
- 圧力:自動で一定か
- ブレード:分割されているか(これが一番重要)
- 位置:プーリー直後か
- 2段構成になっているか(必須ではない)

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