ベルトコンベアの戻り側(リターン側)に付着した微粉(キャリーバック)は、搬送ライン全体に落下して飛散粉塵の原因となります。ベルトクリーナーはこれを直接掻き落とすことで、粉塵の発生源を未然に遮断・抑制する上で最も効果的な対策のひとつです。
粉塵発生のメカニズムとクリーナーの役割
| 発生要因 | コンベア上で起きる現象 | クリーナーによる解決効果 |
| キャリーバック(付着物の持ち戻り) | 排出部で落ちきらなかった微粉がリターンベルト裏面に付着して戻る。 | ヘッドプーリー直下で微粉を掻き落とし、シューター内へ回収する。 |
| リターンローラー部での叩き落とし | 戻り側のローラーを通過する際の振動・衝撃で、付着した微粉が空間に飛散する。 | リターンラインに入る前に付着量を劇的に減らし、飛散を防止する。 |
| ベルトの落鉱・摩耗 | 抱き込みによるベルト損傷やローラーの固着が起こり、粉塵と偏摩耗が加速する。 | ローラーへの巻込みを防ぎ、ベルト挙動を安定させることで発塵を低減する。 |
粉塵抑制効果を高める設置構成
1回掻き落とすだけでは微細な粉塵は取りきれないため、段階的に配置する多段クリーニング方式が有効です。
【搬送物流れ】 ───► [ヘッドプーリー] ───► 排出
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┌─────────────┴─────────────┐
│ ① 一次クリーナー (一次掻き落とし)│
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┌─────────────┴─────────────┐
│ ② 二次クリーナー (微粉仕上げ) │
└─────────────┬─────────────┘
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│ ③ V型/斜めリターンクリーナー │ (ベルト内面保護)
└───────────────────────────┘
- 一次クリーナー(プライマリ)
- 設置場所: ヘッドプーリーの吐出部直下
- 役割: 粗い搬送物や水分の多い付着物の大部分(70〜80%)を掻き落とす。
- 材質: 超高分子ウレタン樹脂や耐摩耗ラバーなど、ベルト傷つけの少ない材質。
- 二次クリーナー(セカンダリ)
- 設置場所: ヘッドプーリーを離れた直後の平坦なリターンベルト部
- 役割: 一次で落ちなかった微細な粉塵や水分・油分を削ぎ落とす。
- 材質: 超硬チップ(超硬合金)ブレードなどを短冊状に配列し、ベルトの撓みに追従させる構成が有効。
- 掻き取り刃を15mm幅に並べたマフレンベルトクリーナーが効果的です。
- リターンV型/V plough クリーナー
- 設置場所: テールプーリー直前のベルト裏面(内面)
- 役割: ベルト内面にこぼれた粉塵や異物がテールプーリーに巻き込まれるのを防ぐ。
粉塵対策としてクリーナーを選定・運用するポイント
- 面圧の自動追従(テンショナー構造)ブレードが摩耗しても常に一定の接触圧(掻き取り角)を維持できるスプリングテンショナーやエア・ゴムスプリング式を選定することで、メンテナンス周期を延ばしつつ連続した粉塵抑制が可能です。ウレタンバーに超硬チップを取り付けたマフレンベルトクリーナーが効果的です。
- ベルト継手(レーシング/硫化加硫)の確認金具留め(レーシング継手)の場合、超硬チップ等の硬質ブレードが引っかかり破損するリスクがあるため、インパクトに耐える構造や加硫継手処理の検討が必要です。マフレンベルトクリーナーは継ぎ手のインパクトを回避する機能を有しています。
- 集塵機・シュートとの連携掻き落とした微粉が再度風で舞い上がらないよう、クリーナー設置部は密閉シュートで囲い、集塵ボックスや散水設備を近接して配置します。マフレンベルトクリーナーはコンパクト構造ですのでヘッドプーリ下部のスペースにコンパクトに収納できます。
ベルトクリーナーによる粉塵対策は、「落鉱を減らす」だけでなく、ベルト表面に付着した微粉を確実に除去し、リターン側で粉塵として飛散させないことが重要です。
| ① ベルトクリーナーを適正圧力で接触 | ★★★★★ | 強すぎ・弱すぎの両方を避ける |
| ② 一次+二次クリーナー | ★★★★★ | 粗い付着物と微粉を役割分担 |
| ③ チップの摩耗を抑える | ★★★★☆ | 摩耗すると清掃能力が急激に低下 |
| ④ ベルトへの追従性を高める | ★★★★★ | ベルトの蛇行・振動でも接触を維持 |
| ⑤ 落鉱を減らす | ★★★★☆ | 粉塵発生源そのものを減らす |
| ⑥ シュート・フードと組み合わせる | ★★★★★ | 発生した粉塵を外へ出さない |
| ⑦ 定期的な調整・点検 | ★★★★☆ | 圧力・角度・摩耗を管理 |
特に重要なのが「線圧」です
ベルトクリーナーは、単純に強く押し付ければよいわけではありません。
線圧が低すぎる
→ ベルトとの隙間
→ 微粉が残る
→ リターン側で粉塵化
線圧が高すぎる
→ ベルトへの負荷増加
→ チップ摩耗
→ ベルト損傷リスク
→ 粉塵低減効果がかえって不安定
となります。
超硬チップを使う場合は、粉塵対策との相性が良い
これまでのWC-Co超硬チップ+15 mmピッチの構成なら、粉塵対策ではかなり自由度の高い設計ができます。
例えば、
一次クリーナー
→ 大きな付着物を除去
二次クリーナー
→ 超硬チップで微粉・薄い付着層を除去という役割分担が効果的です。
特に鉄鉱石、石炭、焼結鉱のように微粉が多い材料では、**「チップの耐摩耗性」だけでなく「微粉をどれだけ残さないか」**を評価指標にするのが重要です。
粉塵対策として評価するなら
「クリーナーの寿命」だけを見るのではなく、
① ベルト表面残留量(g/m²)
↓
② リターン側への持ち帰り量
↓
③ 落鉱量
↓
④ 粉塵濃度(mg/m³)
まで測定すると、製品の性能をかなり説得力のある形で示せます。
「ベルトクリーナー=ベルトをきれいにする装置」
ではなく、
「ベルトへの付着物を減らし、リターン側での粉塵・落鉱の発生を抑える設備」
という位置付けにすると、公害対策・作業環境対策としてメリットがあります。

落鉱をきっちり落とすにはヘッドプーリのベルトクリーナーが重要な役割を有しています。
ベルト表面にクリーナーの掻き取り刃を正確にあてて適正な押付け力で掻き落とさねばなりません。
それを実現するには掻き取り刃を小分割にしてベルト全幅で掻き取り刃が満遍なくベルト表面に当接するできる構造設計が大事です。
マフレンクリーナーは掻き取り刃に超硬製チップを採用してします。さらに超硬刃の幅を15mmに抑えて超硬チップが極力ベルトと密に当接するようにした設計になっています。
また超硬刃はウレタンバーに取り付けられておりベルトの上下変動に柔軟に追随できるようになっています。ベルトは走行中に上下やスラスト方向に細かく動いており掻き取り刃はこの微少な振動に瞬時に追随する性能が必要です。

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