ベルトクリーナー交換の安全マニュアル|コンベア停止から試運転までの作業標準

1.目的

ベルトクリーナーの交換作業における、ベルトコンベアの予期せぬ起動、残留エネルギー、部品の落下・飛散等による災害を防止し、安全に交換作業を行うことを目的とする。

下図はマフレンクリーナーの取替え、メンテナンス状況図である。


2.作業前の安全確認

① 作業内容の確認

□ 作業責任者・作業員を確認する
□ 交換対象のベルトクリーナーを確認する
□ 作業範囲・作業手順・危険箇所を確認する
□ 必要な工具・交換部品を準備する

② 保護具

作業内容に応じて以下を着用する。

□ ヘルメット
□ 安全靴
□ 保護メガネ
□ 保護手袋
□ 防じんマスク
□ その他、現場で指定された保護具


3.コンベア停止・起動防止

① コンベアを停止する

通常の停止操作によりベルトコンベアを停止する。

② 電源を遮断する

電源を遮断し、他の作業者が誤って起動できない状態にする。

③ 起動防止

□ 操作盤・電源等を施錠する
□ 「作業中・起動禁止」の表示を行う
□ 関係者へ作業中であることを周知する

④ 無動作確認

現場の安全な手順に従い、起動操作を行ってもベルトが動かないことを確認する。

※停止ボタンを押しただけの状態で交換作業を開始しない。


4.残留エネルギーの確認

ベルトコンベアには、停止後も危険な力が残っている場合がある。

確認するもの

□ ベルトの残留張力
□ エアテンショナーの残圧
□ 油圧シリンダーの圧力
□ スプリングの荷重
□ ウェイト式テンショナーの荷重
□ クリーナーに作用している押付け力

必要に応じて、各エネルギーを安全な状態に解放・固定する。

※テンショナーを解除・分解する際は、急激な動作に十分注意する。


5.旧ベルトクリーナーの取り外し

① クリーナー周辺の落鉱・付着物を除去する。

② クリーナーに力が掛かっていないことを再確認する。

③ ボルト・固定部品等を取り外す。

④ クリーナー本体・ブレード等を安全に取り外す。

⑤ 重量物は無理に持ち上げず、必要に応じて吊具・補助具を使用する。

注意:

  • 手や指を挟まない
  • 部品を落下させない
  • 無理な姿勢で作業しない
  • ベルトと構造物の間に身体を入れない

6.取付部の点検

新しいクリーナーを取り付ける前に確認する。

□ ブラケットの変形・亀裂
□ ボルト・ナットの摩耗・損傷
□ シャフトの摩耗
□ テンショナーの異常
□ ベルト・プーリー周辺の異物
□ クリーナー取付部の摩耗

異常がある場合は、修理・交換してから取り付ける。


7.新しいベルトクリーナーの取り付け

① 交換品の型式・仕様を確認する。

② 指定された位置に取り付ける。

③ ブレードの向き・角度を確認する。

④ ベルト幅方向の位置を確認する。

⑤ 固定ボルトを確実に締め付ける。

⑥ 指定された場合は規定トルクで締め付ける。

⑦ テンショナーを所定の状態に復旧する。


8.交換後の調整

以下を確認する。

□ ブレードがベルトに正しく接触している
□ 左右の接触状態が均一である
□ 過大な押付けになっていない
□ クリーナーが周辺部品と干渉していない
□ ベルト継手・ボルト等との干渉がない
□ テンショナーが正常に作動する
□ 必要な場合は線圧・押付け力を確認する

重要:過大な押付けは、ベルト・クリーナー双方の摩耗や損傷につながるため、必要以上に押し付けない。


9.試運転

試運転前

□ 工具・部品を作業場所から撤去
□ 作業員が安全な場所へ退避
□ カバー等を復旧
□ 周囲に人がいないことを確認
□ 起動してよいことを関係者へ周知

試運転

① 低速または短時間で運転状態を確認する。

② 異常がなければ通常運転へ移行する。

確認項目

□ 異音
□ 異常振動
□ ブレードの跳ね・異常動作
□ ベルト蛇行
□ クリーナーの片当たり
□ ベルトへの異常な食い込み
□ 異常発熱
□ 落鉱・清掃不良

異常を発見した場合は、直ちに安全な手順で停止し、原因を確認する。


10.作業完了確認

□ クリーナーの固定状態を確認
□ テンショナーの設定を確認
□ 工具・交換部品を回収
□ 安全カバーを復旧
□ 周辺を清掃
□ 試運転結果を確認
□ 作業責任者が完了を確認
□ 必要事項を作業記録に残す


【絶対に守ること】

「止める → 電源を遮断する → 起動を防止する → 残留エネルギーを確認する → 交換する → 調整する → 試運転する」

運転中のベルトクリーナーに手や工具を入れて調整・清掃・交換を行わない。

異常を感じた場合は、無理に作業を続けず、安全な手順で停止してから原因を確認する。


作業記録

項目内容
作業日年  月  日
設備名
コンベアNo.
クリーナー型式
交換部品
作業責任者
作業員
試運転結果□良好 □要確認
特記事項

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