チップ材質・チップ幅・接触・線圧・追従性を最適化。
ベルトの微少な形状に追随して無理な負担をかけず、安定した掻き取り性能を実現。
「超硬チップ」「超硬チップ幅」|「安定接触」|「長寿命」|「落鉱・粉塵対策」
ベルトに無理な負担をかけず、安定した掻き取り性能を実現する方法
ベルトクリーナーの性能を高めるためには、単に硬いチップを使用するだけでは十分ではありません。
重要なのは、「チップ材質・接触・線圧・追従性」の4つをバランスよく設計することです。
1.チップ材質を最適化する
付着物の種類や摩耗条件に合わせて、チップ材質を選定します。
耐摩耗性に優れた**超硬チップ(WC-Co)**を使用することで、チップの摩耗による掻き取り性能の低下を抑え、長期間の安定した使用を目指します。
ベルトクリーナーのチップ材質を最適化する方法
ベルトクリーナーの性能を高めるには、単に硬くて摩耗しにくい材料を選ぶのではなく、搬送物・ベルトの状態・必要な掻き取り性能に合わせてチップ材質を選定することが重要です。
特に、超硬チップを採用する場合は、耐摩耗性だけでなく、欠けにくさ、ベルトへの負担、接触状態、線圧との組み合わせまで考える必要があります。
1. 搬送物に応じたチップ材質の選定
① 超硬合金(WC-Co)
耐摩耗性重視
鉄鉱石、焼結鉱、摩耗性の高い鉱石などに適しています。摩耗を抑え、長寿命化を狙えます。ただし、衝撃や片当たりによる欠けに注意が必要です。
② ポリウレタン
柔軟性・追従性重視
ベルト表面の凹凸や接続部への追従性を確保しやすく、ベルトへの攻撃性を抑えたい用途に向きます。ただし、摩耗、熱、薬品、水分の影響を考慮します。
③ 超硬チップ+金属ホルダー
性能の両立
摩耗する先端部に超硬を使い、支持部に金属を用いる構造です。高価な超硬の使用量を抑えながら、耐摩耗性と構造強度の両立を目指せます。
※ 適材はベルトの材質、搬送物の粒径、含水率、温度、衝撃の大きさによって変わります。金属チップを使用する場合は、ベルト表面を損傷しない形状・接触条件も重要です。
2. 超硬チップ(WC-Co)の材質をどう最適化するか
超硬合金は、主に炭化タングステン(WC)と結合材のコバルト(Co)から構成されます。一般に、Coを増やすと靭性を高めやすくなり、WC粒子を細かくすると硬度・耐摩耗性を高めやすくなります。ただし、実際の性能は粒径、組成、製造条件にも左右されます。
| 設計項目 | 重視する性能 | 選定の考え方 |
|---|---|---|
| WC粒径 | 耐摩耗性 | 摩耗が激しい用途では微粒・超微粒材も候補 |
| Co含有量 | 欠けにくさ | 衝撃や振動が大きい場合は靭性を重視 |
| チップ先端形状 | 掻き取り性能 | 鋭さと欠けにくさを両立 |
| チップ支持構造 | 衝撃吸収 | 片当たりや局所的な荷重を抑える |
| チップ配置 | 接触の安定性 | ベルト幅方向の接触むらを抑える |
重要なのは、硬度だけで材質を決めないことです。 硬度を高くしても、先端に衝撃が集中すれば欠けることがあります。超硬材の選定では、硬度と抗折力・靭性を併せて評価します。
3. 鉄鉱石・石炭・焼結鉱向けの設計方針
これらの搬送物を扱うベルトコンベアでは、次のような使い分けから検討するとよいでしょう。
| 使用条件 | 推奨する検討方針 |
|---|---|
| 鉄鉱石・焼結鉱など摩耗性が高い | 超硬チップを優先候補にする |
| 粗粒・大塊が当たる | 靭性とチップ支持構造を重視する |
| 微粉や付着物が残る | 先端形状、接触状態、線圧を最適化する |
| ベルト表面の摩耗・凹凸が大きい | ウレタン系や追従性の高い構造も比較する |
| 継手の段差・突起がある | 超硬の適合性を事前確認する |
超硬チップは、適合するベルトと継手で使用すれば長寿命化に有効ですが、あらゆるベルトに適するわけではありません。
Metso
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4. おすすめは「材質・接触・線圧」の一体設計
これまで検討されてきた15 mmピッチの分割チップ構造であれば、私は次の順序で最適化することをおすすめします。
第1段階:超硬材の選定
硬度・Co含有量・WC粒径・抗折力を比較する。
第2段階:15 mmピッチの接触設計
分割ごとの追従性、片当たり、チップの突出量を検討する。
第3段階:線圧の最適化
掻き取り率とベルト摩耗・駆動負荷を測定し、適正範囲を探る。
第4段階:実機評価
摩耗量、欠け、掻き取り率、交換周期を比較する。
5. 具体的な材質選定に必要な条件
実際に適したWC-Co材種を絞り込むため、まず次の条件を教えてください。
① 主な搬送物鉄鉱石・焼結鉱石炭湿った粉体・粘着物その他
② 現場で最も大きな問題チップの摩耗が激しいチップが欠ける・割れる掻き取り残りが多いベルトが摩耗・損傷する
③ ベルトの継手加硫接合(段差が小さい)機械式継手摩耗・凹凸が大きい不明
④ 最優先する性能長寿命と欠けにくさの両立最大限の耐摩耗性掻き取り率の向上ベルトへの負担軽減
この条件で材質を選定する
2.ベルトとの接触を安定させる
クリーナーの性能は、チップがベルトにどのように接触しているかによって大きく変わります。
ベルトの振れや変動に追従しながら、チップを適切な状態で接触させることで、局部的な過大接触や接触不足を抑えます。
3.線圧を適正化する
「強く押し付ければ、よく取れる」という考え方ではありません。
線圧が不足すれば掻き取り性能が低下し、逆に過大になるとベルトへの負担や摩擦抵抗が増加します。
そこで、掻き取り性能とベルトへの負担のバランスを考えた適正な線圧を設定します。
4.ベルトの動きに追従させる
コンベアベルトは、運転中に振動・蛇行・変動などが発生します。
クリーナーがベルトの動きに追従できなければ、接触圧力が変化し、掻き取り性能も不安定になります。
そのため、ベルトの動きに合わせてクリーナーが追従し、安定した接触を維持する構造が重要になります。
「硬い刃」だけではなく、「接触のさせ方」まで設計する。
チップ材質 × 接触 × 線圧 × 追従性
この4つを総合的に設計することで、ベルトに過度な負担をかけず、安定した掻き取り性能と長寿命の両立を目指します。
超硬チップ|安定接触|適正線圧|高い追従性
ベルトクリーナーは、「何を使うか」だけでなく、「どう使うか」まで含めて設計することが重要です。


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